夏休みのゲーム時間、親子で決める7つの約束と声かけ

声かけ・関わり方

\保護者のみなさんにアンケートのお願い/

この夏休み、いちばん困っていることは何ですか? みんなの声を集めて「今日からできるヒント」として記事にまとめます。回答は3分ほど・匿名でOKです。

アンケートに答える(3分)▶

夏休みは、子どものゲームやスマホの時間がぐんと増えやすい時期です。「夏休みのゲーム時間、どう決めたらいいんだろう」と、頭を抱えている保護者の方も多いのではないでしょうか。朝から晩まで画面に向かう我が子を見て、つい「いい加減にしなさい」と言いたくなる気持ち、とてもよく分かります。

でも、叱る前に少しだけ立ち止まってみませんか。この記事では、夏休みのゲーム時間を親子で気持ちよく決めるための考え方と、今日から使える具体的な手順をご紹介します。禁止でも放任でもない、ちょうどいい着地点を一緒に探していきましょう。

開いたノートを一緒に見ながら寄り添う親子

なぜ夏休みはゲーム時間が増えてしまうのか

まず知っておきたいのは、夏休みにゲームやスマホの時間が伸びるのは、ある意味で自然なことだということです。学校がなく、生活リズムがゆるみ、自由な時間がたっぷりあります。外は暑くて遊びに出づらく、友だちともオンラインでつながる子が増えました。環境そのものが「長く使いやすい」状態になっているのです。

ですから、時間が増えたこと自体を「うちの子はだらしない」と責めるのは、少しかわいそうかもしれません。大人でも、休みの日はついスマホを眺めてしまうものですよね。大切なのは、増えることを前提にしたうえで、どう折り合いをつけるかを考えることです。

ここで気をつけたいのが、頭ごなしの「禁止」です。取り上げたり全面的に禁止したりすると、その場は静かになっても、隠れてやる・反発する・親子の信頼が揺らぐ、といった逆効果を招きがちです。禁止ではなく、一緒にルールをつくる。この視点が、夏休みのゲーム時間とうまく付き合う出発点になります。

親子で決める夏休みのゲーム時間ルールの手順

守れる7つの約束11日にどれくらい使うか2使ってよい時間帯3やることを先にすませる4使う場所を決める5終わりの合図(タイマー)6寝る前はやめる7課金は必ず相談

ルールは「親が決めて言い渡すもの」ではなく、「親子で一緒に決めるもの」にすると、ぐっと守られやすくなります。人は、自分で決めたことには責任を持ちやすいからです。子どもに「あなたはどれくらいがいいと思う?」と尋ね、その意見をベースに話し合ってみてください。

また、ルールを「時間の長さ」だけで考えないのがコツです。「1日1時間」と決めても、いつ・どこで・どう終わるかがあいまいだと、結局もめてしまいます。次の7つの約束を、親子で一つずつ相談しながら決めてみましょう。

  1. 1日にどれくらい使うか(平日と休日、家族の予定がある日で分けても構いません)
  2. 使ってよい時間帯(「宿題のあと」「夕食まで」など、始まりと終わりを決める)
  3. やることを先にすませる(宿題やお手伝いなど、先にやると決めたことを終えてから遊ぶ)
  4. 使う場所(自分の部屋ではなくリビングで、など見える場所を基本に)
  5. 終わり方のサイン(タイマーが鳴ったら区切る、キリのよいところで終える)
  6. 寝る前のルール(就寝の30分〜1時間前には画面をやめる)
  7. お金とつながりのルール(課金は必ず相談、知らない人とのやりとりはしない)

あわせて、家庭側の設定も見直しておくと安心です。スマホやゲーム機には、使える時間帯を制限したり、年齢に合わないコンテンツを遮るフィルタリング機能が用意されています。課金は必ず親に相談する約束にし、パスワードは子どもに教えないでおきましょう。SNSやオンラインゲームで知らない人とやりとりする機会も増えるので、「困ったことがあったら、怒らないから必ず教えてね」と、あらかじめ伝えておくことが大切です。

決めた内容は、紙に書いて貼り出す「約束表」にすると効果的です。タイマーや見守りアプリと合わせて、時間を目で見える形にしておくと、「あと何分?」のやりとりが減ります。子ども自身が残り時間を管理できるようになると、自己コントロールの練習にもなります。

やる気を引き出す声かけのコツ

ノートに書く小学生と隣で見守る保護者

同じことを伝えるにも、言い方ひとつで子どもの受け取り方は変わります。命令や否定ではなく、一緒に考える言葉を選んでみましょう。たとえば、こんな声かけです。

「ゲームの時間、今年の夏はどうやって決めようか。あなたのアイデアを聞かせて」

「宿題が終わったら、そのあとは思いきり楽しもうね」

「もうすぐタイマーが鳴るね。キリのいいところで教えてくれる?」

「約束、守れてるね。自分で時間を見られるの、すごいと思うよ」

ポイントは、できていないことを責めるより、できていることを言葉にすること。「自分でやめられた」体験を積み重ねるほど、子どもは自信を持ってルールを守れるようになっていきます。

約束を守れないときの対応と、心配なサイン

守れなかった時は責めない理由を一緒に考えるルールを調整する

約束を決めても、うまくいかない日は必ずあります。そんなとき、大切なのは「罰」ではなく「再調整」という考え方です。守れなかったことを責めるより、「どうして難しかったんだろう?」と一緒に振り返ってみてください。時間設定に無理があったのかもしれませんし、終わり方があいまいだったのかもしれません。

ルールは一度決めたら固定、ではありません。実際にやってみて、合わないところは何度でも話し合って直していく。この柔軟さがあるほうが、長い目で見て守られるルールになります。取り上げるといった強い対応は、本当に必要なときの最終手段にとどめておきましょう。

いっぽうで、次のようなサインが続く場合は、少し立ち止まって見守りたいところです。あくまで一般的な家庭での目安ですが、参考にしてください。

  • 睡眠が大きく削られ、朝起きられない・昼夜が逆転している
  • 食事や入浴、外出など、生活の基本がゲームより後回しになっている
  • ゲームを中断されると、これまでになく激しく暴言を吐いたり暴れたりする
  • ゲーム以外の遊びや家族との会話に、まったく関心を示さなくなった

こうした状態が長く続き、家庭での工夫だけでは難しいと感じたら、抱え込まないでください。学校の先生やスクールカウンセラー、お住まいの地域の相談窓口などに、早めに声をかけてみるのがおすすめです。相談することは、決して大げさなことではありません。

まとめ:夏休みのゲーム時間は、親子の対話から

夏休みのゲーム時間は、禁止して押さえ込むものでも、見て見ぬふりをするものでもありません。増えて当たり前という前提に立ち、時間の長さだけでなく「いつ・どこで・どう終わるか」を、親子で一緒に決めていく。それが、いちばん無理なく続く方法です。

うまくいかない日があっても大丈夫。責めるのではなく、そのつど少しずつ調整していけば十分です。この夏が、お子さんにとって「自分で決めて、自分で守れた」という小さな自信につながる時間になりますように。今日、まずは食卓で「夏休みのゲーム時間、どうしようか」と話しかけるところから始めてみませんか。